読書レビュー「人体工場 / 仙川 環」

金欲しさに治験を受けた真柴という男子大学生。その後、若松という美人医師の検査によって尿に多量のたんぱく質が出ているのが発見される。治験を疑い始めた真柴は同じく治験を受けていた美紀と真相を探っていくが、真柴の周りでは行方不明者や殺人、暴行といった事件が起こっていく。

 

目次

感想

うーん・・・読み終わった感想を一言でいうなら「軽い」。

良くも悪くも軽くて、読みやすいと言えば聞こえはいいけど人物像やストーリーに「深みがない」印象。

 

主人公の真柴君が出だしはダメダメ人間って所から始まって、真相を探っていく中で少しずつ漢気が出てきたりするのを眺めてるって感じでしたね(笑)

ストーリー的には面白いと思ったけど、登場人物の設定が「よくある人物像」なんです。

黒幕の人物の描写もいまいちパッとしないし、美人医師にしても「カッコイイ」のか「ただの嫌なヤツ」なのか微妙なところ。

なので、ラストはどんでん返しが狙いだったと思うんですけど、結構すぐにラストシーンが目に浮かんでしまった。

そしてその予想は大当たり。

うーん・・・やっぱりかぁ・・・という感じ。

せっかくのミステリーなので、もう少し意外性を持たせてほしかったですね。

スピード感はそこそこあって飽きることもなく読めたんだけど、色々と「ちょっとそれはどうなのかな~」って所もあったりして・・・

 

だけどテーマ的には重いです。

 

人がやっていいことと悪いこと。その二つの間の線引きは、誰が決めるんだろう。

 

上記は人体工場の本文ですが、この物語の軸はここに置かれています。

誰かの為であれば、どこまでするのが正しいのか。どこまでしちゃったら「いきすぎ」たこととされるのか。

しかもそれが人の生死に関わるとしたら?その生命の危機にさらされているのが、自分の大切な人であったなら・・・

そんな風に考えさせられる言葉が沢山出てきます。

 

「人が人に対してしてはいけないこと」というようなセリフも出てくるんですけど、個人的にはその疑問も「?」ですけどね。

人が嫌だと思うことは動物だって嫌だと思ってるんじゃないですかね。

人が「痛い」と思うことは、動物だってみんな「痛い」んですよ。言葉にできないだけで。。

なぜ、そこを「人」で区切ってしまうのか・・・そういう人間の考え方をそもそも変えるべきなんじゃないかと私は常々思ってます。

 

この本の評価は?

ストーリー [3.0]
感情移入 [2.0]
感動 [1.0]
ラストの展開 [2.0]
総合 [3.0]

 

ココに惹き込まれた!

テーマは重いけど主人公がラフな感じなのでサクッと読める。倫理的な問題に直面して色々と考えさせられるのはいいことだと思う。

 

ココが気になる!

設定的に「ありえないかな」と思うところが多々ある。せっかくストーリーは面白いのに、人物設定の軽さや個々の描写が浅すぎて世界にどっぷりつかれない。

 

次回読んでみたい仙川 環の作品

今回は仙川環の本を初めて読んだので個人的評価は低かったんですけど、機会があれば他の作品も読んでみたいなと思います。

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